こんにちは、リコタです。
SNSの普及で「見たくないものまで見えてしまう」時代になったと思います。
私も昔はよくTwitterで誹謗中傷や悪口、心無い批判などを見かけては心がもやもやすることがよくありました。
彼らはなぜ誰かを傷つけてまで横暴にふるまうのでしょうか。
自分も彼らと同じように誰かに悪口を言いたくなったり、批判したくなったときはどうすればよいのでしょうか。
今日はそんな話をします。
キーワードは「価値低減傾向」です。
人はみな自分の価値を実感したい
人はみな自分の価値を実感したいものです。
なぜなら、自分には価値があると思うことができたら、そこに居場所ができるからです。
自分はここにいてもいいだという「所属感」を実感するためにこそ、自分に価値を見出したいのです。
人間は他の動物よりも高度な群れを作って生きてきましたから、そこから疎外されれば生きていけないと本能的に分かっているのです。
価値を実感するために行動する
「自分には価値がある」と実感するために、人はあらゆる手段を講じます。
他の人からの称賛や承認を求めたり
誰かに必要とされたいと願い恋に恋してみたり
自分が所属する共同体のために貢献したり
何かしら行動を起こして価値ある自分になろうとします。
アドラー心理学では「貢献」によって自分の価値を実感することを推奨しています。
ここを掘り下げると今回の記事から逸れてしまうので、またいつかの機会に。
自分の価値を実感できない
けれども、誰もが行動を起こせるわけではありません。
行動を起こすためには一定の勇気・努力・忍耐力が必要になりますが、これらのコストを支払いたくないがために前に進めない人がいます。
こういった人たちは当然ながら自分には価値があると思うことができません。
「自分には価値が無いと思う」これを分かりやすい言葉に置き換えるなら「劣等感」です。
アドラーは「劣等感は誰もが持つものだが、いつまでも持っていられるものではない」と言います。
自分は他者と比べて劣っているという劣等感を持ちながらも、それを克服するための行動を起こせない。そんな時、人は「安直な手段」で劣等感に対応しようとします。
安直な手段で劣等感に対応する
ここで言う「安直な手段」にもさまざまあります。
例えば「自分は頭が悪いから勉強ができない」というように劣等感を理由に課題を回避することや、自慢話や虚言で自分を大きく見せることなどが「安直な手段」です。
自分が劣っていると感じる可能性をなるべく遠ざけたり、努力無しで自分を価値ある人間だと見せかけたいと思うのです。
あなたの身の回りにこのような人がいたらどんな印象を持ちますか?
「あまり相手にしたくないな」と思うかもしれません。
そして、実際に相手にされないことが多いのでしょう。
彼らはより過激な方法で劣等感に対応しようとします。
価値低減傾向
彼らの目的は「自分の価値を実感する」ことです。
けれども、現実的な努力ができない、自分を大きく見せても注目されない、そんな中で自分の価値を実感する方法は「相対的に自分の価値を上げる」ことです。
「相対的に自分の価値を上げる」つまり「周囲の人の価値を下げる」のです。
周囲の人間は自分と比べて劣っているということにすれば、自分に価値を実感することができるのです。
そのために、身近な人の悪口を言ったり、SNS上で誹謗中傷を繰り返したり、常に批判的な態度をとることで、自分以外の人間の価値を下げようと試みるのです。
このように、誰かを貶めて相対的に自分の価値を上げ優越感を得ることを、アドラー心理学では「価値低減傾向」と言います。
自分に当てはめて考えてみる
この「価値低減傾向」を自分に当てはめて考えてみると、人生をより善く生きるヒントになります。
人との関係の中で、「こいつ気に入らない!批判してやりたい!痛い目にあわせてやりたい!」という気持ちが湧き出ることはあります。当然、私にもあります。
そんな時、焦点を当てるべきは「相手の行い」ではなく「自分の劣等感」です。
自分に価値を実感できていないからこそ、誰かを下に置きたいと感じるのです。
私の場合、他の誰かに批判的な考えばかり浮かぶときはいつも、落ち込んでいるときや心配事・悩み事があるときです。
欲求に身を任せ、誰かを批判することでスッキリしてしまえば、「自分は他者を貶めることで自分の価値を実感できる」という信念を強化してしまいます。
するとどうでしょう。周囲の人と仲良く、楽しく暮らすことなんて到底できません。
なので私は、「誰かを批判したい」という気持ちが湧き出てきたときは、「今自分は劣等感を持っている」と考えるようにしています。そうすることで「価値低減傾向」ではなく「健全な努力」へ行動を導きます。
誹謗中傷や批判は、言ったその瞬間は優越感を得られるかもしれませんが、自分の周りからどんどん人が離れていきます。
この記事を見た方は、ぜひ周囲の人と仲良く生きられるよう「価値低減傾向」という概念を頭の片隅にでも置いといてくれると嬉しいです。
では、さらば。
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